写真ポーズ集の模写で絵が上達しました:わたしの体験
去年の5月にnoteがきっかけでお絵描きに目覚めた管理人、今では展示会に出展しようかと思えるくらいになりました。
これは、雑誌投稿用にパステル風味でデジタルで描いてる途中の絵。
もう少し上達してから、と思う気がしないでもないですが、きっと、自分の絵に完全に満足する日は永遠に来ないと思うので、出して見ようかな、と思った時が始めどき、ということで申し込んでみました。
ここにいたるまで、約15ヶ月。
わたしが、上達したいと思った最初の頃に主にやったのは、写真ポーズ集の模写です。
絵の模写、というのもよく絵の練習として取り上げられることがありますが、わたしは絵の模写はほとんどしていません。
わたしが描きたかったのは、写実的な絵に近いものなので、絵の模写はちょっと違うと思ったからです。
のちに、ある程度、人体のことがわかるようになってきてからは、人体をどう表現するかという意味で、ほかの方のタッチを研究することもありだなとは思いました。
が、そもそも頭の中に人体の3Dモデルがインストールされてない状態でそれをやっても厳しいなと思ったのです。
最初はとにかく人体のヌードに近い写真を見て、筋肉のありようを見たままにひたすら描きました。
途中、描き込みすぎてホラーになることもありましたが、まずは見たものを見たまま取り込んでいくために、描いた絵の見た目はちょっと置いておいて、何がどうなっているのかを、感じたままに描き込んでいきました。
最初はまあ下手くそでしたが、やはり、練習すれば上達できます。おそらく、人体の大まかな形をとることができる目を、この時点で養えたのだと思います。
しかし、これもあるところまで来ると、壁を感じました。
クロッキー的な絵は描けますが、面で表現できないので、油絵的な塗り方がよくわからないのです。
かといって、イマドキの絵のように、線画で描いて、色を塗る、ということもできません。
困っていると、まるで天の采配のように、お安い石膏像のデッサン教室を見つけて今年の4月から受講できることになりました。
この教室のおかげで、現在じょじょに面で捉えるということができるようになり、画家としての目も養えているような気がします。
デッサン教室では、自分でもかなりのスピードでもろもろ吸収できていると思いますが、それは、今まで、写真ポーズ集を模写してきたベースがあったからではないのかと思います。
しかし、デッサン教室に通う、というのは、時間的にも、お金的にも環境的にもなかなか難しい方もおられると思います。自宅でヌードがデッサンできるなら、それもありですが、それも難しいでしょう。
写真の模写とデッサンはもちろん違います。
3Dのデッサンが一番だと思いますが、それがかなわない場合は、写真ポーズ集での訓練もある程度はありなんじゃないかと、自分で体験して思いました。
ということで、前置きが長くなりましたが、今回は私自身が購入して良かったと思う写真ポーズ集をご紹介したいと思います。
私が描いている絵の分野の特性上、主に男性のポーズ写真集まとめとなっているのは、予めご了承ください。中には女性や男装の女性のポーズが一緒に収録されているものもあります。
では、ここからそれぞれの写真ポーズ集のご紹介です。
二次利用OKや、トレス可能のものが多いですが、それぞれの本によって利用規約や利用できる範囲が違いますので、必ずご自分でその本の利用規約を熟読し、自分がしようとしている行為については自己責任で判断の上、ご利用くださいね。
では、写真ポーズ集のまとめ、行ってみよう!
新ポーズカタログ男性の基本ポーズ編:マール社
まず最初に購入したのが、マール社の「新ポーズカタログ」シリーズの「男性の基本ポーズ編」です。
残念ながらCDなどのデジタル素材はついていませんが、カラーとモノクロで、アイレベル、あおり、俯瞰の3種類の角度から男性モデルさんを撮影した写真が見開きで複数載っています。
若干写真が小さいのがたまにきずですが、初心者であれば、そもそもそんな細かいところまで目を行き届かせる余裕がありません。
体全体の形をとる練習をするなら、これくらいの大きさでも充分ではないかと思います。
大丈夫です。心配しなくても最初からそんなにうまく描けないです。輪郭を大雑把に描いても全然違っていて、あれれ?ってなりますから。
この頃に描いてたのを参考までに貼っておきます。
私は最初にこれを使って、大まかな人体の構造を学習した気がします。
私基準では、この写真のポーズ集のモデルさんはとてもバランスのとれた身体つきをしているので、大変参考になりました。自分が描きたいと思っているような体つきのモデルさんの写真ポーズ集を探して、それを模写するのが1番近道だと思います。
この写真ポーズ集を、模写するときに、学習したのは、以下のとおりです。
上半身(頭を除く)が主に3つの部分に分かれること
下半身が2つの部分に分かれることとそのバランス
体に対する腕の長さ
体に対する頭の大きさ
男性の腰の部分の様子(男性と女性では腰の位置もくびれ具合も違うので)
多分こんな感じだと思います。
私は主に鉛筆で模写をしていたので、カラーとモノクロが両方掲載されているのはとてもありがたかったです。
カラーだけではどうしても、陰影がよくわからないので、時々モノクロ見て確認しました。
でしばらくこれを模写していましたが、だんだん飽きてきたので、次に2冊買いました。
男の筋肉ポーズ集
2冊目に買ったのは、スカーレット・ベリ子さんイラスト・監修の「男の筋肉ポーズ集」です。発売は新書館から。紙の本にはデータCDも付いています。
この写真ポーズ集を買った理由は、
前回買った写真ポーズ集にないポーズを描きたい
と思ったことと、
そんなに多くはないのですが、撮影されたポーズの筋肉の解説が掲載されている
ということです。
この写真ポーズ集を買って、モデルさんによって、体形も肉付きも違うと言うことがよくわかりました。
わたしが、最初身体を描くときによくわからなかったのは、首から肩・腕などの上半身から腰にかけての筋肉の流れです。
本書では、いくつかのポーズ写真について、イラストで筋肉を解説してくれています。
例えば、あるあるな壁ドンポーズですが、僧帽筋・広背筋・大円筋・三角筋・上腕三頭筋を図示してくれています。
最初の写真ポーズ集で、この辺が盛り上がっている、この辺が凹んでいると思いながら模写していたのですが、この本でいくらか筋肉の構造を理解できました。
ただ、そんなにたくさんは解説は載っておらず、あくまで写真ポーズ集のおまけ位の感じなので、筋肉解剖図とかが知りたい方は、そういう専門の本を見た方が良いのかもしれません。
私は、まだまだ初心者でそんな筋肉解剖図までやる気はなかったし、そもそも買っても使いこなせなかったと思うので、この本のおまけ解説を反復して練習するのでじゅうぶんでしたが。
この頃に本書を参考に描いてて、ホラーになったやつ。
スーツ男子の描き方
同じ頃に購入したのがホビージャパンから出ている「スーツ男子の描き方」。写真と線画データを収録したCDが付いています。
こちらは、全て二次利用OKではなく、イラスト等二次利用不可なものもあるので注意が必要です。
こちらはスーツを着た男性の写真ポーズ集です。
個人的に良かったのは、刑事さんみたいな感じで、拳銃を扱っているシーンの写真も少しですがあることです。
ダブルのスーツ
シングルのスーツ
スリーピース
ワイシャツ姿
などの写真が収録されています。
私も、筋肉だ、肉体美だと言っていますが、やはり服の面積が少ないものは、いいねをするのもちょっと恥ずかしいし、購入するのもちょっと恥ずかしいと言うのは大変理解できます。
筋肉だ肉体美だと言ってる割には、ネットにアップするときには、一応服を着せております。腕の筋肉を描けるので、タンクトップなどのノースリーブが多いですけど。
人間の肉体の構造と美しさを理解するために、お洋服少なめの写真ポーズ集を模写することは、大変実りあることだと思います。
がしかし、肉体美を描ければ服も描けるのかと言うとそれは違っていて、服を着たかっこよさと言うのは、また別に練習しないと難しいです。
と言うことで、しばらくスーツ男子のポーズ写真集の模写をしました。拳銃とか描けてかっこよかったです。
これは、最初の頃に写真集を参考にして描いたやつ。
これは、この6月に写真集を参考にして描いた絵。
あと、スーツの知識も若干身に付いたので、夫のスーツを買う時、今までさっぱりわけがわからなかったのですが、少しはスーツの見所がわかるようになったような気がします。ほんの少しですけど。
この次に、アクション系の写真ポーズ集を買ったのですが、こちらは二次利用オーケーかどうかよく分からないので、割愛します。
だらっとしたポーズカタログ
しばらくその3冊を模写していましたが、だんだん飽きてきたところへ発売されたのが、マール社の「だらっとしたポーズカタログ」です。
こちらは男性だけでなく、男性モデル・女性モデル・男装した女性モデルの3人の写真ポーズ集が収録されています。
最初、男装した女性モデルの人を男性だと思っていたので、見るたびに違和感を感じてなんでだろうと思っていましたが、途中でアマゾンのレビューを読んで、男装の麗人であったことに気が付きました。
男装の麗人をスケッチしたい方には参考になるし、需要もあると思いますが、やはり男性と女性では体つきが違いますので、男性をスケッチしたい方は購入されるときにはご注意ください。
服装は、男性はタンクトップとゆるい長いパンツ&トランクス(?)、女性はキャミソールに短パンっぽいパンツ&水着、男装のかたはジーンズ+シャツ&パーカーとなっています。
このポーズ集は、のんびりくつろいでいる感じのポーズが多く、なかなか良かったです。実際に作画したものを、Instagramにアップしているのでいくつか貼っておきますね。
写真ポーズ集の利点
写真ポーズ集の利点は、商用利用OK、二次利用OKのものをチョイスすれば、インターネットなどに著作権違反なしで自分が描いたイラストをアップすることもできることです。
ただし、写真そのままを利用したりデータをアップしたりする事は大抵禁じられています。
素材集などもそうですが、本によって、利用規約は違います。今回ご紹介した本の中にも、スーツ男子の本はイラストのトレスは不可など、同じ本の中でも使えるものと使えないものが混在しているものもありました。
必ず各自で、その本の利用規約を熟読し、理解して、自分が発表したい作品が利用規約に準じているかどうか判断し、自分の責任において利用してくださいね。
最近は、著作権違反についてもよくネットで話題になることが多いので、そこはクリアして気持ちよくお絵かきライフを楽しみたいですね。
ちなみにこれからの予定としては、
二次利用OKかどうかまでは確認していませんが、
奇抜なアングルのポーズ写真集
人物が二人の場合のポーズ写真集
服を着て人物が二人の場合のポーズ写真集
あたりが欲しいです。
しかし、男性で服着て人物二人になるとまず、BLになっちゃうのですが、どうしたものでしょうか。
でもこれ、レストランのボーイさんみたいなかっこうの写真がカッコイイので欲しいんだよなあ。
以上、お絵描き15ヶ月目の男性メインで描いている絵描きのわたしが使っている写真ポーズ集のまとめでした!
男性メインの絵描きさんの参考になれば幸いです。