最近、人工知能について、調べる機会があり、14冊まとめて読んだので、役に立ったものをコメントつきでご紹介しておきます。
ちなみに、わたくしもっぱら文系人間で、数学とか物理とかさっぱりです。SFは大好きですけれどね。
ということで、専門知識なく、一般の人が読めるの前提ということで、それではいってみましょう。
発行年の新しいものを
とりあえず、人工知能の世界は進歩が激しいので、とにかく発行年の新しいものを読んだ方が無難です。
今なら、まずこの2冊。
人工超知能が人類を超える シンギュラリティ―その先にある未来
まずは、これ。基本的に、人類を超えるAIは誕生するだろうね、というスタンスです。
人類を人工知能が超える時点を「特異点(シンギュラリティ」と言いますが、本書は、シンギュラリティに焦点を当てて書かれた本です。
特異点がもし本当に怒るとしたら、どういう問題が起こるのか、またその先はどうなるのか、意識とは、クオリアとは、などということについて考察されています。
人工知能が専門でない人にもわかりやすく書かれていますので、読みやすいと思います。
人工知能は私たちを滅ぼすのか
2冊目に読んだのがこれ。こちらも、特異点は到来するかも、という立場。
人工知能の歴史と特異点後の世界の予測について、一般人にわかりやすく書かれています。
ただし、聖書やアーサー王伝説をモチーフにした記述があちこちに見られるので、それに関する好みはあるかもしれません。わたしは、おもしろいと思いましたが。
人工知能とそれに関する脳科学の歴史がざっくり解説されているので、おおまかなところを見通すのに役に立ちました。
AIの衝撃
ここまで読んでくると、気になるのが、ディープラーニングに関する詳しいところです。
ということで、その次に読んだ本がたまたまディープラーニングについて詳しく解説してあって良かったです。
こちらニューラルネットとディープラーニングについて、素人が理解するのに役立つ本だと思います。
わたしがこの本を読む時には、先の2冊の本を3回どおり読んでいたので、比較的内容は理解できました。
ディープラーニングこそが、昨今の第三次AIブームの主役と言いますか、人工知能研究のブレイクスルーらしいので、ぜひとも押さえておきたいところです。
人工知能は人間を超えるか
さて、先の最初の2冊が特異点後の世界を描いたものであるなら、現状をかっちり把握した本も反証として読んでおきたいところです。
おすすめは、この本。本書はぜひ読んでおきたい1冊です。
2016/5/2追記:この本は、株式会社翔泳社主催の「ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書 2016」で、ビジネス書部門大賞に選ばれています。ぜひ、チェックしておきたいですね!
人工知能学会での編集委員長もつとめられた、現役の研究者の手によるものであり、現状何が人工知能にできて、何ができないのか。なぜ、ディープラーニングがこれほどまでにブレイクスルーであったのかが理解できました。
ここまでが、ざっくり基本的知識をつけるためにおすすめな感じ。
そして、できればこの本も読んで欲しい。
未来に先回りする思考法
思考法の本ですが、AIとそれを取り巻く社会についても書かれています。
いろいろうなずけるところも多く、ビジネスをするなら、必読の1冊だと思いましたね。激押し。
人工知能について直接あれこれ解説しているわけではありませんが、それを含む社会について考察したい方にもおすすめです。
いやあ、いい本ゲット。
あと、落合陽一さんのこれも必読!
これからの世界をつくる仲間たちへ
落合陽一さんが書いた人工知能と人間が共存する時代を生き抜くための本。若い人にこそ、読んで欲しい。
さらに、読みたかったら、以下をどうぞ。
シンギュラリティは近い―人類が生命を超越するとき
で、ここまで読んだら、やっぱり、どの本にもたびたび出てくる、昨今では有名なシンギュラリティ派のレイ・カーツワイルさんの本も読んでみないとあかんやろうと思って読んでみましたが……
ページ数にして、「AIの衝撃」の2.5倍くらいあります。読んでも読んでも終わらない。途中で昼寝しました。疲れた。しかも、難しかった。
内容は人工知能というよりも、ナノテクノロジー・脳のリバースエンジニアリング・ロボット工学と多岐にわたり、さらに哲学的な考察も加わり、1冊読み終えるころにはぐったりしました。とりあえず目で追ったけど、理解出来たかどうか謎です。
ちなみに、こちら、書いた時点が2004年であるらしく(本の中で出てきました)、となると、今2016年であり、12年前の著書となります。
読んでるうちに、それが現在どうなっているのか、若干こんがらがりました。
宇宙が進化するんだ、というカーツワイル氏の考え方に触れたい人は、頑張って読んだらいいと思いますが、現状の人工知能についての何かを確認したい場合は、なんせ12年前の本なので、余計こんがらがるかも。
ただ、わたしは脳のリバースエンジニアリングとか、ナノテクノロジーの部分はおもしろく読めました。12年前の情報ですけどね。
なので、最近の脳のリバースエンジニアリングの本をさらに読んでみたいと思いました。
この1冊でまるごとわかる! 人工知能ビジネス
あと、現状、日本で人工知能を使ってどんなビジネスが行われているのかを知りたくてこのムック本を購入。
すでに、一般人向けの本を数冊読んでいたので、ざーっと全般的に見渡す感じかなーと思いましたが、次に読むと良さそうな本が見つかったり、思わぬ企業がAIを使っていて、へー、へー、へー、という感じでした。
ただ、ムック本なので、ハイライトが使えず、ブックマークしかできないのが、残念でした。
週刊東洋経済 2016年2/20号
AIと雇用について。キーワード:AI記者。表情分析。お料理ロボット。プログラミング教育などについて。
東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」
紙の本は、 2014/10/15発売。現在の人工知能の周辺について、対談形式で、文系にもわかりやすい印象で解説。
魔法の世紀
メディアとしてのコンピュータ。歴史とか。メディアアートについて。アートという側面からコンピュータの歴史をひもといている、のかな……。
コンピュータと文化の話。アートの側面からコンピュータについて書いているのを読んだのは、本書が初めてだったので、そういう意味でおもしろかった。
スーパーヒューマン誕生!人間はSFを超える
「人間拡張工学 ( Augmented Human )」についての本。近年になり脚光を浴びている発展途上の分野で、2010年から、「人間拡張国際会議」というのも開かれているそうです。
2045年問題
わかりやすい一般人向け解説書だけれど、発行年がやや古い。紙の本の発売日が2012/12/22。数年前。すでに実現されていることもあったり。
2100年の科学ライフ
2011年に原著出版。ちょっと古かったかも。
ミチオ・カク氏の未来予測本。ロボットや人工知能についても記載があり、おもしろかった。
ディープ・ラーニングが盛り上がるのが2010年頃からなので、それについての考察が入ってないのかもしれない。
すでに実現しているものもあった。