Googleの先のその先
以前、Googleが作ろうとしているのは、ネットの巨人だ!という記事を書いたことがありますが、そのイメージは以前として、わたしの中にあります。
わたしには、地球上に張り巡らされたインターネット網は、地球という巨大な脳のシナプスに見えて仕方がないのです。
もしかすると、わたしたち人類が生み出す次の種は、巨大な地球を母胎とする知的生命体ではないのか?と思ったりします。SF大好きなんでね。
さて、現在のGoogleはまだまだ発展途上で、やっと音声検索が始まったばかりです。
これが進むと、もう人々はキーボードに向かって検索語句を打ち込むようなことはしなくなるでしょうね。
さらに、そこから一歩進むとどうなるか?
わたしは、コンピューターが音声で回答してくるようになるのではないかと思います。
コンピューターがネットを検索して、情報をピックアップし、検索者に音声で伝える。
そうなった時、ウェブサイトというのは、一体どういう形になっているのでしょうか?
生き残るのは自分軸を打ち出したサイトだけ
わたしは、そんな時代には、生き残っているのは、自分軸を打ち出したサイトだけではないのかと思います。
自分軸というのは、例えば、今なら、キュレーションもその一つです。
自分の価値観によって、情報を取捨選択し、一つの切り口によって、付加価値をつける。
その時に重要なのは、誰がキュレーションしているのか、ということです。
それは、有名かどうかではなく、キュレーターの価値観を読者が認めるかどうか、ということではないでしょうか。
言わば、目利きかどうか。
あの人がキュレーターなら信用できる。
それは一つのウェブサイトを見に行く動機となるでしょう。
また、キュレーションではなくても、そのサイトの記事を書いた人の価値観に読者が共鳴する場合もあると思います。
この人の書いた文章を読むと元気が出る。
この人の書いてることは信用できる。
読者は、単なる情報ではなく、信用する誰かを通過した出力が欲しいのです。
それは、たとえば好きな作家の漫画や本を読むのと同じことかもしれません。
情報サイトは増大する情報の海に消滅する
では、人ではなく、情報を主体としたサイトはどうでしょうか?
もし、検索エンジンがそこにある情報を全て取り込んで理解し、音声で検索者に伝えるとしたら?
情報サイトをわざわざ検索者が訪問するでしょうか?
しないですよね。
訪問する意味がない。
もちろん、現在はまだ、必要な情報サイトをわかりやすくまとめたサイトは、大変重宝します。
しかし、情報が溢れすぎて、そのまとめられた情報が果たして、本当なのか、どうなのか?ということが、わかりづらくなってきました。
玉石混淆の情報からいかに役立つ情報を検索者に提供するか?
いかに素晴らしいユーザー体験を提供するか、を目標にGoogleは突き進んでいますが、まだまだ検索結果が混乱中なのは、あなたもご存知のとおりです。
しかし、Googleはいずれはその野望を実現するんじゃないでしょうか?
そうなった時、ただの情報サイトは、情報の海に沈み、日の目を見ることはなくなるのではないでしょうか。
リンク集の時代の到来
では、そうなったとき、検索エンジンが音声で答えてくれない、好きとか嫌いとか、信用とか、数値で測定できないようなものを、基準にして、どうやってサイトを探すのか?
おそらく、そうなったら、再び、リンク集の時代が来るのではないかと思います。
たとえば、わたしは昨日もホリエモンの書評本を読んで、その中で紹介されている本を買いました。
ニートの歩き方、という本です。わたしがその本を購入したのは、ITリテラシーの高いホリエモンがおもしろいというなら、おそらくおもしろいし役に立つと思ったからです。
信用している人が紹介している信用のおけるリンクをたどり、自分の感性に合うサイトを見つけて行く。
まるで、一昔前に戻ったようですが、一昔前と違うのは、それが、膨大な情報の渦の中で行われるということです。
一昔前のネット黎明期は存在そのものが重要でした。
しかし、今度はありあふれる情報の中から選んでもらうには、感性や信用が重要になります。
自分軸を磨け
これは、あくまでもわたしが予想する未来です。
ずっと先のことかもしれないし、すぐそこかもしれないし、そんな未来は来ないかもしれない。
未来は誰にもわかりません。
でも、最近出会う多くの目端の利く人達が、情報でなく、「人」を軸にしたサイト展開へと軸足を移しているような気がします。
ソーシャルの台頭とともに、人が重要な要素となるのは、逃れられない未来なのかもしれません。
そうであるならば、ウェブサイトを運営する人はどうしたらよいのか?
自分軸を磨け!
それしかありません。
そして、自分軸は誰に教えてもらうものでもなく、自らが作り上げなければならない。
自分は何が好きで、どんな人間で何がしたいのか?
そして、それをサイト運営にどう生かしていくのか?
ちょうど2013年も終わろうとしています。
是非、今、考えてみてください。
あなたは何者なのか?
あなたは何がしたいのか?
そしてそれは、サイト運営だけでなく、人間が生きて行くために自らに問い続ける質問でもあるのです。