気がついたら、10年間がむしゃらにネットに文章をアップしてた。

サイト運営を始めたきっかけは、自分が書いた文章をむだにしたくないって思ったからだった。

それまでは、自他ともに認める懸賞マニアで、プレゼントを当てるのが楽しかった。

懸賞マニアって、はがきにいろいろコメントを書いて当てに行くんだけど、ある時、そうやってはがきに書いた自分の文章が、すごくもったいないような気がしてね。

これをネットに蓄積していけば、資産になるんじゃないかと思った。

でも、それは表向きで、多分本当は、自分の言葉が消費されていくのに、耐えられなかっただけだと思う。

それで何をやったかというと、ひたすらいろんなものをレビューした。

日用品から、デジモノから、和菓子から、スイーツから、ありとあらゆるものをレビューした。

わたしはもともと、雑誌のレビュー企画を見つけては、わざわざ応募しているような人間だったから、それをネットにアップしていくということに、なんら違和感はなかった。

そして、それは、ちょうどwebでの一般人のレビューの始まりの時期でもあった。

多分、わたしは、それについては、結構先行者だったんじゃないかと思う。

10年間、好きだった音楽も忘れて、ひたすらレビューを書いた。

10年もの間、のめり込むように続けられることに出逢えて、それは多分とても幸せな時間だったんだと思う。

人とモノとが幸せに出逢うきっかけをわたしが作ることが出来たらと思った。

思っていた、本当に。

ずっと、こうしてレビューを書いて生きて行くんだと思っていた。

誰が予想できただろう?

10年続けることが、新たな世界への扉を開く条件だったなんて。

それはこどもの頃にあきらめた夢への扉だった。

そこへ行きたかったけれど、どうやればそこへたどり着けばいいのか、わからなかった。

わたしは、ただ憧れをこめて、それを見つめることしかできなかった。

今ならわかる。

扉は開いている。

風が吹いている。

封印は解けた。

でも怖い。

だけど、わたしは、小娘のようにちっぽけな胸をふるわせながら、前へ進むしかないんだ。

結局、憧れをこめて世界を見上げたあのころから、自分はちっとも変わってない。

大人になったら、何かが変わるかと思ったけど、それは違ってた。

その変わらないせつなさみたいなものが、自分なんだと、最近になって、ようやく気がついた。

何十年も変わらないんだから、それこそが自分なんだろう。

空に輝いていると思っていたものは、ここに、わたしの胸の中にあった。

そして、多分それでいいんだと思う。

わたしは、どうしようもないこのせつなさを抱えて、きっとずっと生きて行く。

これは呪いでもあり、祝福でもある。

人は多分、そういうものを抱えて、生涯さまよい続けるのかもしれない。

わたしは、この星を抱いて、前へ進もうと思う。

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