円高ではなくドル安である

同志社大学教授の浜矩子さんの「1ドル50円時代を生き抜く日本経済」という本を読みました。

現在、為替レートは1ドル77円から78円 あたりを推移しています。

先日、日銀が為替介入しましたが、蛙の面になんとやら、という状況のようですね。

東日本大震災も起こり、ボロボロな日本なのになぜ円高なのかということが、かねてから不思議だったので本書のタイトルを見て読んでみる気になりました。

しかし、手元に届いてみると、東日本大震災前の出版だということがわかり、現在の状が況適切に把握できてないのかと一時は思いましたが、読んでみると本書が東日本大震災の出版であっても、役に立つと思いましたし、東日本大震災後なのに、円高という状況も理解できると思いました。

本書では、現在の世界経済の状況を各国の通貨に焦点をあて、解説しています。

1985年のプラザ合意の頃、1ドル250円くらいだった為替レートは、1ドル120円になり、現在は1ドル77円から78円まで円高がすすんでいます。

この円高についてですが、本書では円高ではなく、ドル安なのだということを主張されています。

なるほど、円が強いのではなく、ドルが安いためなのだという説明を読めば、現在の状況もなるほどと納得できました。

次の基軸通貨は?

さらにドル安となり、ドルがその基軸通貨としての力を失いつつある今、次の基軸通貨は何なのか、いうことでユーロや人民元などの通貨についても、その背景と実力について考察されています。

円については、隠れ基軸通貨ということらしいです。

経済書というのはだいたいが小難しくて苦手なのですが、本書は非常にユーモアたっぷりな経済書です。

経済書を読んで思わず笑ってしまう、というような体験は初めてでした。

雰囲気としては、ある意味時代劇の水戸黄門が悪者をばったばったと切り倒すような痛快さがありました。

読んでいて、それ以外に言い表すことができないだろうというような、実に的確なしかしユーモアあふれた言葉で、事態を適切に表現しているため、笑いながらもその状態を把握することができることです。

この方の講義もきっとおもしろそうです。聞いてみたい気がしました。

これから日本が生き抜く道は・・・

さて、本書では、現在の円高こそが、プラザ合意の時に変われなかった日本が変わるための最後のチャンスだ、ということで様々な提案をしています。

なかなか納得の提案ですが、日本人の気質として厳しいものもありました。

しかし、そこを乗り越えていかなければ、われわれの未来もないのだろう、ということも理解できました。

是非多くの方に、特に中小企業の社長さんなどにも、読んでいただきたい、と思いました。

数字やグラフはほとんど出てこず、それが物足りないと言う方もおられるかもしれませんが、それだけに、数字やグラフが苦手な方や経済書初心者には、読みやすい本に仕上がっています。
おもしろかったです。

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