キュレーションとは何か?

佐々木俊尚氏の「キュレーションの時代」を読み終えました。

この前からずっと考えている、ネットにおける信用とつながりについての考察について、とても有益な資料となりました。

まず、「キュレーション」とは何かということですが、

無数の情報の海の中から、自分の価値感や世界感に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること。

ということだそうです。

本書では、様々なキュレーションの実例が挙げられています。

それは音楽シーンであったり、眼鏡屋であったり、絵画の世界であったり。

コンテンツを創造するのではなく、数あるコンテンツの中から、選びだしそれに意味を与えて、再度提供すること、それがキュレーションである、ということだと思います。

ネットにおけるキュレーション

キュレーションが前述の意味であるならば、ブログや Twitterなどで、情報加工して提供することもキュレーションです。

佐々木氏は、これを、

視座へのチェックイン

という言葉で表現しています。

つまり、だれかのブログ記事や誰かの Twitterのつぶやきを読むことは、そのだれかの視点から世界を眺めることに他ならないのです。

ネット以前では、マスメディアから流れてくる情報という一方的で、ある意味固定された視座しかありませんでした。

しかしインターネットの普及によって、たくさんの人がそれぞれに情報発信することによって、インターネット上に無数の視座が存在することになりました。

つまり、その視座を生む人の存在が重要になってきたのではないかと思います。

これを、佐々木氏は、

「人」を視座とする情報流通は、今や圧倒的な有用性を持つようになり、私たちの前に現れてきているということでもあるのです。

と表現しています。

視座を選ぶ基準は信用

ではその多数の視座の中から、言葉を換えていうならば、人の中からということになりますが、私たちは、どういう基準で自分がチェックインする視座、つまり人を選んでいるのでしょうか。

ここでも、この前から管理人の頭から離れない「信頼」というキーワードが出てきます。

わたし達は、そのチェックインする視座を信頼できるか、どうかで選んでいる。

では、どうやって、信頼できるかどうかを確認するのか?

佐々木氏は、こう言います。

ソーシャルメディア上では、「人の信頼」というものが可視化され、すぐに確認できるような構造になっています。私たちは情報そのものの真贋を見きわめることはほとんど不可能だけれども、その情報を流している人の信頼度はある程度おしはかることができるようになってきているのです。

膨大な情報をようするネットの世界では、検索すれば、その人が過去に何を言っていたかはすぐにわかる。

だから、

自分の過去の行動履歴で信頼度を高める努力をしていくしかない。そういう時代に進みつつあるのです。

と、佐々木氏。

これはネットでだけではなく、リアルの世界も同じ方向に進んできているそうです。

ウッフィーとキュレーション

ここで前回書評を書いた「ツイッターノミクス」に出てきた「ウッフィー」という概念が思い出されます。

読者に価値ある情報を提供できる視座=人は、読者にどんどんウッフィーを与えることで、自分のウッフィーをどんどん増やしていく。

それは信頼をどんどん増やして、その視座からチェックインする読者をますます増やしていく。

一方、自分のことしか考えない、自分の儲けしか考えない視座=人は、読者にチェックインされることはどんどん減ってゆき、自分のウッフィーもどんどん消耗していく。

しかし、これは当たり前の事なのかもしません。

信頼のおける人の意見を参考にするのは、人間の真理として当然のことでしょう。

堀江貴文氏が、「お金は信用を数値化したものに過ぎない」という趣旨のことを言われていますが、今まではその「お金=信用」という部分を忘れてしまったために、お金が一人歩きして、いろんなことがおかしくなっていた、ということではないでしょうか。

信頼を基本としたネットの世界は、もしかすると望ましい未来への始まりの一歩なのかもしれません。

本書を読んで、あらためて、サイト運営者としての自分の立ち位置のようなものを再確認することができました。

一番大事なのは信頼。

間違わないよう、肝に銘じておきたいと思います。

サイト運営者の方も、そうでない方も、是非読んで見てください。

おすすめです。