日本のソーシャルメディアの未来を知る

「利益とは、先行者に他が追いつくまでの時間である」と、言ったのは誰だったろう?

つまり、情報は力だ。

誰もしていないことを、いち早くすることで、利益を生む時がある。

ネットでは、現在TwitterやFacebookなど、ソーシャルメディアや、それらを使った様々な活動が花開きつつある。

しかし、何がよくて、何がNGなのか、混沌とした状態なのも事実だ。

いち早く有効な手段を見つけられたら・・・と思う人が中にはいるかもしれない。

そんな人におすすめなのが、本書「ツイッターノミクス|TwitterNomics」だ。

カナダ生まれのアルファーブロガー、タラ・ハントが、アメリカやカナダのソーシャルメディアの実態について書いた良書だ。

本書を読むことで、ソーシャルメディアの進むべき道、未来の成功を得ることができるかもしれない。

なぜなら、アメリカはネットでは、日本より数歩も数十歩もすすんでおり、若干の違いはあるものの、アメリカの流れは、やがて日本へもやってくることが多いからだ。

サイト運営者・ネットショップ運営者など、ネットに関わるものにとっては、必読の書である、というのがわたしの意見だ。

ソーシャル・キャピタル=ウッフィー=信用

いつの頃からか、わたしたちの世界には、実態のある実際のこの世界とは別に、オンライン上にネットワークの情報世界が誕生した。

タラが言う。

ウェブ2.0の世界で成功するには、頭を切り換えてソーシャル・キャピタリストになることだ。

と。

「ソーシャル・キャピタリスト」とは、いったいなんだろう?

タラの言葉を借りよう。

ソーシャル・キャピタルは、お金ではないのだ。ソーシャル・ネットワークで結ばれた人同士の間に時間をかけて育まれる信頼。あるいは尊敬。あるいは評価。こういうものが、ソーシャル・キャピタルを形成する。ウッフィーは、このソーシャル・キャピタルという固い言葉の別名と思ってもらえばいい。そして、ソーシャル・キャピタリストとは、大勢の人と信頼でつながり、コミュニティを形成し、ウッフィーを増やす人を意味する。

ちなみに、「ウッフィー」とは、SF小説「マジック・キングダムで落ちぶれて」の中で、貨幣のない未来で使われる、貨幣の代わりになるものである。

つまり、現在のオンライン世界で成功するには、ウッフィー=信用を集めなくてはならないということだ。

ここを読んだ時、わたしは、ホリエモンの「新・資本論」を思い出した。

その中で、堀江貴文氏は、

そこで、「お金とは何か」ということを考えてみます。「お金とは、信用を数値化したもの」これが、僕なりの定義です。

と、述べている。

つまり、現実世界でも、実は、お金というのは、信用である、ということだ。

オンラインの世界では、信用を数値化したお金を使うのではなく、ダイレクトに信用が取引される、ということだろう。

ギフト経済=オンライン世界のルールの変更

しかし、最終的には同じ信用というものを取引しながらも、オンライン世界と現実世界では、取引のルールが異なっている。

タラ曰く

オンラインの世界では、直接の支払いを前提とせずに製品やサービスが提供されるギフト経済が機能している。市場経済でお金で回るが、ギフト経済はウッフィーで回る。ギフト経済では、与えれば与えるほどウッフィーが増える。ここが、市場経済と大きくちがうところだ。

現実世界では、お金=信用を払えば、手持ちのお金は減る。

しかし、オンライン世界では、ウッフィー=信用を与えれば、自分のウッフィーは増えるのだ。

与えれば与えるだけ、自分のウッフィーも相手のウッフィーも増やすことが出来るなんて、素晴らしいことじゃないだろうか?

日本でも、最初は確かに、オンラインの世界と市場経済のルールは同じだったように思う。

ネット黎明期、サイト運営者は、情報を与えて、与えて、与えることに疲れて、サイトを閉鎖したという話を聞いたことはないだろうか。

しかし、本当に日本でもルールは変わっているのか?

わたしは、変わりつつあると思う。

最近読んでいる本には、「give」の精神をといているものが多い。

たとえば、勝間和代氏はもともと「giveの5乗」ということを主張されていた。

実は、本書「ツイッターノミクス」を読み始めたのも、勝間本「インターディペンデントな生き方実践ガイド」で紹介されていたからだ。

また、「マキコミの技術」でも、コグレマサト氏が、「ギブ&ギブ」をすすめている。

ウェブ2.0の世界で成功するために

では、ウッフィーを増やすことで、どうやって、成功に結びつけることができるのか?

それについては、本書にたくさんの事例が掲載されているので、是非直接本書を読んで欲しい。

信用を制する者が、オンラインの世界を征し、そして、それは現実世界にも影響を及ぼす。

日本では、多くの人は、まだこの事実に気づいていないと思う。

だから、一歩先を行きたいと思う人は、是非本書を読んでほしい。

最初は、ギラギラした儲けたい!という欲望から読んでもいいと思う。

しかし、読み終わる頃には、すがすがしいまでのウッフィーの世界に心を洗われているだろう。

また、本書は、サイト運営者や、ネットを活用したいと思っている企業がしてはいけないこと、すべきこともたくさん掲載されている。

是非参考にして欲しい。

ちなみに、解説は津田大介さん。

できるだけ、多くの人が本書を読んでくれることを願いつつ。