勝間和代さん・浜田宏一さん・若田部昌純さん共著の「伝説の教授に学べ!」を読み終えました。

管理人はしばらく前から、現在日本の状況を理解したいと思い、なるべく簡単そうな経済関係の本を読んでいます。

が、なかなか理解が進まなかったのですが、本書のおかげで一気に理解がすすんだように思います。

歴史や世界情勢とからめた理解

まず、本書がわかりやすいのは、過去に起きた歴史的なデフレについての分析もされていること。

同じことが繰り返されるとは限りませんが、現在の状況を理解する上で参考になります。

今まで、歴史も経済も、管理人にとっては、理解しておいた方がいいけれど、面倒くさいことでした。

それが、本書では、経済の観点から歴史を見ているようなところがあり、それは、ただ単に昔学校の教科書で学んだものより、はるかに理解しやすいものでした。

イェール大学教授浜田宏一

また、本書は勝間和代さんと二人の大学教授、浜田宏一さんと若田部昌純さんの対談になっています。

そして本書で非常に説得力があるのが、伝説の教授と言われるイェール大学教授の浜田宏一氏の存在です。

対談の中での浜田宏一氏の話しには、海外の経済学者との話しがポンポン出てきます。

日本の経済学はこんな状況、一方、世界の経済学はこんな状況で、日本の経済政策をどのように見ているかということが、たびたび出てきます。

もちろん、多数の方が少数より正しいとは限らないし、その逆もまた真なわけですが、内容を読むとかなり説得力がある気がします。

とにかく経済について知ろうとすることが大事

もちろん、これ一冊読んだだけで、経済のことがわかるわけではありません。

しかし、このような日本の状況では、自分達がどこへ向かっているのか、自分なりに把握しておく必要は大きいと思います。

だから、わからなくても、いろいろなものを読んでみる。
ある主張の本を読んだら、それに反対する立場の本を読んでみる。

そうやって、少なくとも、何が問題になっているか、というのは理解するよう努力しておいた方がいいのではないかと思います。

これについても、若田部教授がこのように書いています。

ちょっと長いですが、引用してみます。

じつは、一般の人たちが普通に暮らしている分には、世の中というものは、経済問題に関心を持たなくてもいいような仕組みになっているのです。
 そのことを明らかにしたのが、じつは経済学なんですね。つまり、「見えざる手」という話しです。みんなが自分のしたいようにやっていれば、世の中全体として案外うまくいくのが普通の姿だという話しです。
 しかし問題は、ときどき普通の姿でなくなることがあるのです。経済の運行がうまくいかなくなって、「見えざる手」に従っていると、みんな地獄に行ってしまう状況が出てくる。そのとき初めて、いま自分たちが置かれている状況を知る必要が出てくるわけです。現在の日本がまさにそうですね。
「伝説の教授に学べ!」p240より

とりあえず、一人一人が経済に関心を持ち、理解しようと努力することが、日本の現状打破への小さなステップではあることは間違いないでしょう。

勝間和代さんが、経済関係の本をたびたび出版されているのも、そういう意図があるのかと推察します。

本書が正しいかどうかというのは、残念ながら、管理人には判断するだけの知識がないのでわかりません。

しかし、現状の日本のデフレについて、いくつかある立場の一つを大変わかりやすく説明している良書だと思います。

また、賢明な読者の方はご存知かと思いますが、たくさんの本を読んでいると、対立する立場にある本では言ってることが正反対のことがよくあります。

なので、書いてあることをすぐにそのまま正しいと飲み込んだり、おかしいと批判するのではなくて、この人はこのように言っている、と考えるのがいいと思います。

人が情報を発信する場合には、なんらかの意図があります。

まあ、何も考えずに発信していることもありますが。

なので、両方とりあえず読んでみた上で、背景や意図も考慮に入れつつ、誰が言ってることが正しいのか、有効なのか考えてみたらいいと思います。

本書は、最初はちょっと読みづらい部分もありますが、途中からぐんぐん面白くなります。

日本のデフレはひとごとではありません。

手元に置いて、何度も読み返して理解したい本です。

是非、読んでみてください。